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三重交通神都線跡を歩く 1

 年末年始は沢山の方が伊勢神宮にお参りに来られますが、市民にとっては少し悩みの種でもあります。

内宮周辺の駐車場はすでにキャパシティの限界を超えており、その対策として混雑時には県営サンアリーナに臨時駐車場を設け、パークアンド・ライド方式でバスで内宮までピストン輸送する方法をとっています。

しかしその間市内には交通規制が敷かれ、通れる道路も限られてきます。思わぬところで同時多発的に渋滞が始まり、普段の倍ほどの時間がかかることもしばしばです。

かつては電車で来て神宮にお参りされる方が多かったのですが、高速道路が整備されることによって車で来られる方がある時期を境に、とても多くなったように思います。

これらの問題を解決するには、新しい移動手段を考えるのが最も早い解決策になると思います。

AIによる自動運転技術は世界の自動車メーカーが競って開発を進めており、そう遠くない未来に実現可能となるでしょう。新しいモビュリティが今の自動車に替わるのも夢の様なお話では無くなってきました。

60年ほど前まで、伊勢市内を走る路面電車がありました。

三重交通神都線。

https://www.sanco.co.jp/shuttle/post-22.php

明治36年から営業を開始し、私が生まれた昭和36年の1月まで運行を続けていました。

私自身路面電車が走っていたという記憶はありませんが、父が通勤の為に利用していたり、ところどころにはその「なごり」のようなものがあったと記憶しています。

今回はその「三重交通神都線」の古い路線図をもとに、かつての「神都線」跡を歩くことにしました。

近鉄「五十鈴川駅」を降りて国道23号線に向かって歩いていきます。

駅を出て間もなく国道23号線に出ますが、この辺りにかつての「神都線」の「楠部駅」があったと思われます。

国道を横切り真っすぐ進めば「一宇田駅」「朝熊村駅」方面。右に行けば「宇治駅」「内宮前駅」へ行く分岐点。

ここを左に折れて外宮方面に向かって歩きます。

今は交通量が多く、歩いている人はほとんどいません。高速道路のインターチェンジの下を通り抜け「松尾観音」へ向かう道を左に入って行きます。バス停のある辺りが、かつて「松尾駅」があった場所だと思われます。

古い写真で確認すれば、この道路は路面電車専用で複線であったと思われます。

緩やかな坂を下って進んで行くとスーパーの並ぶ通りに出ますが、交差点辺りがかつて「中山駅」があった辺りだと思われます。

ここから「二軒茶屋」方面や「二見駅」方面に向かう列車に乗り換えが出来たのだろうと思います。

さらに進んで行き、伊勢警察署前を通って県道37号線と交差する辺りに「倉田山駅」があったと思われます。

今は一方通行となっているのがかつての線路跡ではないかと思います。

その一方通行と「二見街道」がぶつかる辺りに「古市口駅」があったのだと思われます。

そのまま「錦水橋」を渡り「伊勢市役所」を過ぎて、「外宮前駅」に到着です。

今と比べて道路も整備されておらず、自動車も少なかった時代。伊勢を訪れるだけでもかなりの「旅行」であったと思いますが、だからこそゆったりと観光を楽しみながら日常と違う時間を存分に楽しむ。

昔の人の方が旅の楽しみ方をよく知っていて、旅の達人であったのかも知れません。

寅寅寅

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