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おはらい町から人が消えた日。

 5月8日をもって「新型コロナウイルス」は季節性インフルエンザと同じ「5類」に分類されることとなりました。
日本で「新型コロナウイルス」の感染が確認されてから3年以上が経過しましたが、ようやく長い夜が明ける時が来たのでしょう。
しかし私も当初は、まさか医学が発達したこの時代に「感染爆発(パンデミック)」が起きるとは思ってもみませんでした。テレビで海外からのニュースが流れているのを、まるで対岸の出来事の様に見ていたのです。
しかし「新型コロナウイルス」は自分たちが考えていたよりも遥かに獰猛で狡猾な存在でした。次々と変異を繰り返し、検疫をすり抜けじわじわと感染を広げていったのは、皆さんもよく記憶されていると思います。

そして2020年4月7日東京、神奈川、埼玉、千葉、大阪、兵庫、福岡に緊急事態宣言が出され、同4月16日にはその範囲が全国に広げられました。

日本は一気に闇に包まれました。

目に見えぬ「感染症」は、私たちを恐怖の底に陥れました。何よりも怖いと感じたのは、人が人を信じられなくなってしまったこと。その頃「一番恐ろしいのは人間だった」という言葉をよく耳にしました。治療法もない、ワクチンもない、もし感染すれば命の危険もあるとすれば、パニックになってもおかしくありません。
緊急事態宣言により行動は著しく制限され、仕事も移動も買い物も思うようにならなかったと思います。普段は何気なく生活していることが、どんなに大切な事だったのかと痛感しました。

そんな中、所用で出かける事がありました。
一人で車で出かけ、用を済ませたらすぐにまた車に乗って帰りましたが、途中少し寄り道をして「おはらい町」を通る事にしました。(常に交通規制がありますので、よくご確認ください)
普段なら観光客で賑わい、たとえ迷い込んだとしても車で通り抜けるのにはとても勇気がいります。通りに入ると道沿いにあるお店はそのほとんどが戸を固く締め、観光客もほとんどいません。これほど人のいない「おはらい町」を見たのは初めてでした。何とも言えない「罪悪感」で胸が締め付けられる思いになり慌てて通り過ぎましたが、通り終えると悲しい気持ちにさえなってきました。
電話やSNSで流れてくるのは、悲鳴とも思える様な内容ばかりでした。「がんばれ」「耐えるしかない」と言うのが精いっぱいで、お店を閉めた、会社が倒産した、仕事を辞めたという話もたくさん聞きました。

「新型コロナウイルス」は、私達の生活の根幹から人の心の中まで、深くて大きな傷跡を残しました。
私の周りの人も何人かが感染しましたが、幸いなことに重症化する人はなく、今は元気に仕事を続けられておりホッとしております。

私たちは悠久の昔から続く神宮のおひざ元で、その転生を見続けてきたという歴史があります。
私は宗教家ではありませんが、神宮もまたそんな自分たちをずっと見続けてきたのだと思うと感謝の心しか沸いてきません。

「コロナ禍」の最中には、「コロナ後」にはどんな明るい未来が広がっているのだろうかと想像をしていましたが、どうやら更に深い「闇」が広がって来ているように思います。
しかし2000年という「時間軸」で考えれば、私たちが今直面している出来事は、ほんの些細な事が原因で問題になっているに過ぎないのかも知れません。

人間が同じ過ちを繰り返す事しかできない生き物だとすれば、いずれはAIに支配されていくのだと思います。

最後になりますが

コロナ禍の中、自分の身の危険も顧みず社会貢献に励んでこられた方々に、心より感謝を申し上げます。

そして何より、このコロナ禍で不幸にも亡くなられた方々には、深く哀悼の意を表します。

寅寅寅

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