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倭姫命の巡幸 12

 倭姫命の巡幸地を辿る旅。今回は奈良県にある二つの巡幸地を巡ることにしました。

先に訪ねたのは「佐々波多宮(ささはたのみや)」の比定地「篠畑神社」です。倭姫命が「宇太の阿貴宮(うだのあきのみや)」の比定地とされる「阿紀神社」の次に訪れた所とされ、ここで「宇太の大宇祢奈(おおうねな)」という童女と運命的な出会いをしたところであると伝えられています。その後「大宇祢奈」は倭姫命の伴をし伊勢に天照大御神を祀るまで仕えたとも伝えられています。

朝早く家を出て国道165号線をひたすら西へと走ります。「篠畑神社」は国道を少し離れた場所にありましたが、駐車場もなくどうにか神社の前に車を停めてお詣りする事ができました。目の前に白い鳥居があり、そこからも本殿が見えます。石段を上がっていくとすぐに本殿が見えました。

ここの拝殿は吹通しになっていて、本殿前で神事が行われるのでしょうか本殿の前には榊が奉納されていました。

ちょうど本殿の横に並ぶように「佐々波多宮姫社」が建っています。

「大宇祢奈」はこの地の出身であり、女神として今も大切に祀られています。

お詣りを済ませすぐに車に戻り次の目的地に向かって走り出します。

「大神神社(三輪明神)」は倭姫命が巡行を始めた出発点であり、ここで「豊鍬入姫命(とよすきいりひめのみこと)」の信託を受けたところでもあります。

「大神神社」に近付くと濃い茶色に塗られた巨大な鳥居が見えてきます。天にも届くかのような巨大な鳥居は威厳の高さを感じずにはおられません。その鳥居の近くの駐車場に車を停め歩き始めます。参道の途中にはJR桜井線が走っており、ちょうど列車が目の前の踏切を走り抜けていきました。

参道には土産物店や食堂が並び、露店も出ています。週末だったこともあり多くの参拝客でにぎわっていました。

鳥居の前で一礼をし本殿へと進んでいきます。もうこの時点で身が引き締まる思いがします。更に本殿に進む石段を上がると、更に神々しい空気に包まれました。

そして本殿の前に立つと、何か圧倒的なものを感じました。

それが「パワー」と言うものなのかどうかはわかりませんが、2000年以上前からここにあり、それが今まで脈々と続いているという事自体が凄いと感じます。

人間の命などせいぜい80年。2000年続けば25生分になります。そう考えると人の一生などいかに儚いものかと思います。皇女一行がなぜこの地を離れて新天地を求める旅に出なければならなかったのかは様々な推察はありますが、人の命には限りがあっても「思想」や「理念」というものは伝える人がいる限り永遠に続いていくものだと思います。それが陳腐なものであれば2000年も続かなかったはずです。

自分たちはどこから来て、そしてどこに行こうとしているのか。

もう一度よく考えなければならない時期に来ているのかも知れません。

今回で倭姫命の巡幸地を巡る旅もいよいよクライマックスに差し掛かりました。

全てが繋がる時も近付いてきましたが、その時自分なりに何かの答えが見つかるのかも知れません。

寅寅寅

※参考文献 倭姫命の御巡幸:(株)アイブレーン

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