22世紀のお木曳(思考の遷宮)【3】

22世紀のお木曳

未来へ遷す力

 これまでお木曳行事や地域の祭りは、人々の熱意と沢山の人の支えによって続けられてきました。

経験者が中心となり、現場にいるすべての人の阿吽の呼吸と、的確な判断があったからこそ行事が回って来たのです。それは長い間、地域の人々の絆を強くするための役割もあったのでしょう。

しかし人口減少と高齢化が進む今、これまでと同じ方法では、自分たち一人ひとりの負担が更に重くなっていくだけでしょう。

人数が減っても作業量は変わらない。担い手が限られるほど特定の人に仕事が集中する。

これを現場の視点で考えれば、継続が厳しくなる典型的な例です。

今考えなければならないのは、「行事を守るか、やめるか」ではありません。

必要なのは、お木曳行事をひとつの「未来へ遷すためのプロジェクト(現場)」として捉え直し、運営の仕組みを再構築する視点を持つことだと考えます。

現場の仕事では基本となる考え方があります。

これらはけっして難しい事ではなく、「継続して回す」ための基本的な話です。

現場も、お木曳行事も、同じではないでしょうか。

神事や伝統の核となるものはそのままに、運営部分だけを整理する。

そうすることで、少人数でも無理なく回る体制が見えてくるでしょう。

これまでの行事は、勢いや善意によって支えられてきた部分が大きかったと思います。しかしこれからは、リスクを前提に設計し、人員や担当を再配置し、運営をシステム(組織)として考える必要があります。

それはけっして伝統を軽く扱うことではありません。未来に渡すための現実的なシステム・メンテナンス(組織の整備)なのです。

行事を精神論から運営論へ移行する。それは縮小ではなく、「続けるための設計変更」です。

プロジェクト(現場)として見直すことで、次の世代が無理なく関われる形が見えてくるでしょう。

その積み重ねこそが、お木曳行事を持続可能にする第一歩になると思います。

error: Content is protected !!
タイトルとURLをコピーしました